ため息がもれないように
いつも君の事ばかり考えていたから
泣きそうな君が
泣かないようにこらえているのが伝わる。
僕のため息が
君の涙腺を壊しそうだから
静かに息を吐く
静かに息を吸う
静かに息を吐く
決して君に気づかれないように
いっそ、涙がこぼれてしまえば
僕はすぐに駆けつけて
その涙を吸ってあげられるのだけれど
それを君は望んでいない
幼かったから
呪文がどこかで抜け落ちて
かけたはずの魔法の糸がほそ〜く、ほそ〜く伸びてしまった
そぉっと、そぉっと震える指先でたぐってる。
細い明かりしか入らない暗いところで
涙をこぼしたらかすかな糸が切れてしまいそうだと
見失わないように瞳を開いて
だから僕も空気を乱さないように
静かに息を吐く
静かに息を吸う
静かに息を吐く
僕の肺の鼓動さえも空気を揺らさないように